一巻。『念仏宝号観心偈』『旦那院僧正念仏宝号』ともいう。檀那院覚運(九五三—一〇〇七)著。「念仏宝号」「観心偈」「念仏偈」の三編からなる。宝号とは諸仏・諸菩薩の名号などを列記したもの。また「観心偈」「念仏偈」には一心の体性を示す偈と久遠実成の阿弥陀仏への帰依を表す偈が収められている。後世に親鸞はこの「念仏偈」の一節を「檀那院覚運和尚曰」と『二尊大悲本懐』に引用している。
【所収】仏全二四
【参考】佐藤哲英『叡山浄土教の研究』研究編(百華苑、一九七九)
【執筆者:能島覚】