日本浄土教成立史の研究
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:30時点における192.168.11.48 (トーク)による版
2018年3月30日 (金) 06:30時点における192.168.11.48 (トーク)による版
にほんじょうどきょうせいりつしのけんきゅう/日本浄土教成立史の研究
井上光貞著。昭和三一年(一九五六)九月、山川出版社刊。鎌倉初期の浄土教の成立過程について論考した書。内容は、飛鳥時代から鎌倉初期頃の、特に法然浄土教までの範囲を律令時代、摂関期、院政期の区分をもとに浄土教がいかなる様相であったのか、教義と僧(教団)と信者の関係性に留意しながら考証されている。本書は従来見逃されていたような資料なども蒐集し、丹念な整理と分析によって論証され、その成果は、智光の浄土教思想、浄土教建築の盛行期、聖・沙弥の昂揚事情等の見解に見受けられる。昭和五〇年二月、新訂版が山川出版社より刊行。また同六〇年には『井上光貞著作集』七(岩波書店)に収録・刊行された。
【執筆者:髙津晴生】