日付にしたがって毎日の出来事や感想を記録したもの。公的な記録は律令に基づき内記や外記がその任務にあたったが、平安期になると弱体化していく。それに変わって、公家の日記が儀式や公事の作法や判断の故実としての資料となり、その日記のある家柄が重要視されるようになった。『御堂関白記』『玉葉』『明月記』など多数が伝えられている。日記が盛んとなる時期は、法然の活躍した時期と重なるため、伝記とはまた異なる史料が提供される。これらを収めたものとして、『大日本古記録』(岩波書店)、『増補史料大成』(臨川書店)などが挙げられる。
【参照項目】➡玉葉、明月記
【執筆者:魚尾孝久】