一巻。良天聖観撰。永徳元年(一三八一)八月中旬に清書したもの。末尾に「永禄九天(一五六六)四月十八日午剋畢」の良智の署名がある。妙観の『選択口筆』中の「三心具不生」の一項目について述べた短篇である。巻頭に「三心具不生下」とあり、上巻が欠けている。内容は聖観が妙観との談義中に、三心具不生について不審のところを質問し、その解答を記したものである。三心具と九品の相関分科を試み、さらに諸書を引証して余行等について、三心具不生、三心具不必生等を会通している。
【所収】続浄一〇
【参照項目】➡聖観一、選択口筆
【執筆者:原口弘之】