しなぶっきょうしけんきゅうほくぎへん/支那仏教史研究北魏篇
塚本善隆著。昭和一七年(一九四二)一〇月、弘文堂書房刊。北魏における仏教の展開、道教との交渉、民間の信仰をはじめとして、政治・経済・社会・美術など多方面について論じたもの。特に在家仏教の発展について検討を行うなかで、疑経として知られる『提謂波利経』を取り上げるが、これは本邦における本格的な疑経研究として最初の報告である。なお本書所収の大半の論考が、塚本善隆『北朝仏教史研究』(『塚本善隆著作集』二、大東出版社、一九七四)に再録されている。
【執筆者:石川琢道】