しょうじょうごっしょ／清浄業処
清らかな行いに満ちた場所。浄土のこと。出典は『観経』で、韋提希が「ただ願わくは仏日、我れをして清浄業の処を観ぜしめたまえ」（聖典一・二九〇／浄全一・三八）と釈尊に請うたことによる。諸注釈はこの清浄業処を詳しく釈さないが、『観経』の文脈からすれば、濁悪世と対比すべきものであり、清らかな仏の世界のことと理解すべきであろう。これは釈尊が韋提希のこの懇願に対して十方諸仏の浄妙なる国土を見せている点、また善導が『観経疏』において清浄業処を清浄処、無憂処と同義語として扱っている点からも推測される。
【参照項目】➡業処
【執筆者：石田一裕】
