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垢離

提供: 新纂浄土宗大辞典

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こり/垢離

祭りに参加する、あるいは神仏に参詣するにあたって、水浴びをすることにより穢れを落とし、身心を清めること。本居宣長『古事記伝』では、垢離は川に降りて水によって身体についた不浄なものを洗い流すことを意味する「川り」という語が変化したとする。神道ではとくにみそぎというが、禊の起源説話として『古事記』には、イザナギが死者の往く地である黄泉国に妻を迎えに行ったものの逃げ帰ってきて、穢れがついた身体を水中ですすぎ清めたことが記されている。静岡県磐田市にある矢奈比賣やなひめ神社(見付天神)の大祭である見付天神裸祭(国重要無形民俗文化財)は、神社の祭神である矢奈比賣命を神輿に乗せて遠江国の総社である淡海国玉おうみくにたま神社へ渡御する祭りで、渡御に先立って裸の群衆が町を練り歩き拝殿で乱舞することから裸祭と呼ばれる。この祭りは旧暦八月一〇日にあわせ八日間にわたって行われるが、渡御に先立ち、福田の海岸で神主をはじめ町の人々が海に入り身を清める浜垢離が行われる。


【参考】三橋健「年中行事における禊・祓・物忌み」(『日本民俗研究大系』三、国学院大学、一九八三)


【執筆者:名和清隆】