かんぎょうごぶん/観経五分
『観経』の内容を五つに区分すること。晋の道安以来、経典を序分・正宗分・流通分の三分科にすることを通例としたが、善導は『観経』を『観経疏』序分義において序分・正宗分・得益分・流通分・耆闍分の五つに区分した。はじめの四分は、釈尊が王舎城において説法した王宮会であり、耆闍分は、耆闍崛山にかえって阿難が大衆に復説した耆闍会であるとし、『観経』が二回の説法によって構成されることを示している。善導が『観経』を五つの文段に区別した意図については証空の『観門要義鈔』に詳しい。
【参照項目】➡観門要義鈔、王宮会・耆闍会
【執筆者:瀧沢行彦】