えんかいけいもう/円戒啓蒙
一巻。大玄撰。自序において、『円戒問答』(寛延四年〔一七五一〕の序)の執筆後で、晩年の著作であることがわかる。浄土宗の円頓戒に関して五一箇条の要項を記した書で、『円戒問答』の内容を改編したもの。円頓戒について、はじめに天台宗と浄土宗との同異などを記し、のちに法然や浄土宗における円頓戒の問題点や、布薩戒との関係について解説している。円頓戒は浄土宗において、念仏の助業と念仏弘通の根元との二義があり、戒と念仏とは両輪両翼であるとして、浄土宗における円頓戒の必要性を訴えている。
【所収】続浄一二、仏全七二
【参照項目】➡円戒問答
【執筆者:原口弘之】