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檀越

提供: 新纂浄土宗大辞典

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だんのつ/檀越

恵みを与える人、つまり施主の意。Ⓢdānapatiに相当する音写語。『長阿含経』一一に、「善生よ。檀越まさに五事を以て沙門と婆羅門とに供奉すべし。云何が五と為す。一には身行慈、二には口行慈、三には意行慈、四には時を以て施す、五には門にて制止せしめずなり」(正蔵一・七二上)とあり、檀越のあるべき姿が述べられている。日本では一般に寺に寄進をしたり、僧に衣食等の援助、つまり布施をする後援者や信者の意味である。浄土宗では「だんのつ」と発音するが、これは「だんおつ」から音転したもので、「だんおち」や「だんえつ」とも読む。後世に至って、もっぱら檀家・檀徒・檀那などと同義で用いられる。江戸時代に幕府の政策として寺請てらうけ制度が設けられてからは、家を単位に特定の寺院に所属され、葬式などの法事をその寺院で行ってもらう人ないし家のことを指し、檀家と呼ばれるのが一般的となった。


【資料】『出曜経』一五、『菩薩戒本』、『大智度論』二二


【参考】圭室文雄「幕藩制下の仏教」(『アジア仏教史』日本編七、佼成出版社、一九七二)


【参照項目】➡檀家檀那寺檀制度


【執筆者:薊法明】