じゅみょう/寿命
いのち、生命のこと。ⓈjīvaやⓈjīvitaの訳語としても用いられる。命根と同義語。また寿命を寿と命と分ければ、寿にはⓈāyus、命にはⓈjīvitaがほぼ対応する。『俱舎論』五には「命の体は即ち寿なり」(正蔵二九・二六上)として命と寿とを同一のものと考える。体温や意識の活動を支えるものとされ、これが尽きることで衆生は死ぬとされる。そのような寿命の限りを寿量といい、これは衆生の種類によって変わるもので、人の寿量に比べると天や地獄の寿量は長い。また阿弥陀仏は無量寿仏といわれるように、寿量を量り知ることができない仏である。
【参照項目】➡寿量
【執筆者:石田一裕】