「浄土宗要肝心集」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:25時点における最新版
じょうどしゅうようかんじんしゅう/浄土宗要肝心集
三巻。『肝心集』ともいう。良忠述。詳細な成立時期は不明だが、本文中に『安楽集私記』への譲釈があることから、『安楽集私記』撰述以後の弘安五年(一二八二)一二月から同九年九月の間で『東宗要』よりも先の成立と考えられる。宗義上問題となる要義を二〇箇条にまとめたもので、良忠『東宗要』の草稿本とされる。また本書は妙瑞『浄土宗要玄談』の記述によると、『東宗要』とともに秘奥の書とされ、世に流布しなかったため刊本が無く、写本が大正大学に一本、佛教大学に三本(うち天性寺文庫本は上巻のみ)、金沢文庫に上巻のみ所蔵されている。とくに金沢文庫所蔵の写本は弘安一〇年(一二八七)一〇月一六日に鎌倉名越善導寺において書写されたものであり、上巻のみではあるが良忠にもっとも接近する写本として注目される。
【資料】妙瑞『浄土宗要玄談』
【参考】廣川堯敏「良忠述『浄土宗要集』の成立をめぐる諸問題(一)」(浄土学三六、一九八五)
【参照項目】➡浄土宗要集二
【執筆者:沼倉雄人】