絶対の真理、覚りの世界を表すことば。言語が亡ぼうじ思慮を絶する、つまり、ことばでは言い表すことができず、考えても思慮が及ばないという意味である。「言語道断心行処滅」も同じ意味。吉蔵は『三論玄義』に「諸法の実相は言亡慮絶す」(正蔵四五・七中)と述べ、あらゆるものの真実のすがたは言葉と思慮をこえているとしている。
【執筆者:佐藤堅正】