「香奠」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
Seishimaru (トーク | 投稿記録) 細 (1版 をインポートしました) |
|
(相違点なし)
|
2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版
こうでん/香奠
葬儀に際して親類知人が喪家におくる金銭や物品をいう。香典とも書く。奠は供えるの意味で、仏前または死者の霊前に香を手向けることであり、六種供養の一つをいう。転じて、霊前に香の代わりに贈る金銭(香代)をいい、香資、香銭ともいう。現在では金銭香奠が一般化しているが、かつては近親者は金銭に加えて米などの食品を贈る食料香奠が主体であった。香奠には喪家の出費の負担を軽減するという相互扶助の意味合いがある。喪家は香奠帖を保存して備忘録とした。返礼として香奠返しが行われ、葬儀における香奠の授受は相互の社会関係を表す機会ともなっている。寺院の間では、香資をそのまま返す御返香を行う地域がある。
【執筆者:西城宗隆】