「広弘明集」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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こうぐみょうしゅう/広弘明集
三〇巻。唐の道宣撰。唐・麟徳元年(六六四)の序があり、道宣最晩年の編纂。僧祐『弘明集』の意志を継ぎ、さらにそれを独自の観点から広めたいという意図をもって編纂されたもので、分量も『弘明集』をはるかに超える。仏教が普及してから唐代までのさまざまな護法的文章が収録され、帰正、弁惑、仏徳、法義、僧行、慈済、戒功、啓福、悔罪、統帰の各篇に分けられる。なかでも道教の虚妄を非難した弁惑篇が全三〇巻中一〇巻を占めていることが注目される。
【所収】正蔵五二、『四部叢刊』子部
【参考】吉川忠夫訳『大乗仏典中国・日本篇第四巻 弘明集・広弘明集』(中央公論社、一九八八)、藤善真澄『道宣伝の研究』(京都大学学術出版会、二〇〇二)
【執筆者:鵜飼光昌】