「綸旨」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
りんじ/綸旨
本来は「天皇の意向」の意味で、その意向を記した文書を指す。「りんし」ともいう。具体的には天皇の意向を承った蔵人が、蔵人の名前で受給者に発給した文書のことである。一般には宿紙といわれる、一度使用した文書を漉き返した紙が使用されたので、色が薄黒くなり、そのため綸旨を特に「薄墨の綸旨」という。浄土宗では、香衣を被着して参内することが勅許された際には綸旨が発給された。誰がこの綸旨を天皇に奏請するかを巡って長期間にわたって知恩院と知恩寺が争った際、最終的には天正三年(一五七五)正親町天皇から知恩院のみとする旨を伝える文書が綸旨の形式で出された。これを毀破綸旨という。
【執筆者:伊藤真昭】