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「涅槃図」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:31時点における最新版

ねはんず/涅槃図

釈尊の生涯のなかでも特に注目されるのが釈尊入滅の場面であるが、その場面を釈迦八相の一部としてではなく、一幅に仕立てた作品が涅槃図である。つまり、沙羅双樹のもとに頭北面西釈尊を描き、その周囲に嘆き悲しむ会衆や動物たちを描き、その典拠は『大般涅槃経』に基づく。涅槃図の形式には横たわる宝台を足部から見る構図の古い形式と、頭部から見る構図の新しい形式とがある。涅槃図は数々の寺院で営まれる涅槃会において掛けられることから、日本には涅槃図の作例が豊富に残っているが、その中でも金剛峯寺に所蔵される仏涅槃図(国宝、応徳三年〔一〇八六〕)は応徳涅槃図とも呼ばれ、絵画史上の基準作例として貴重である。


【参考】中野玄三『涅槃図』(『日本の美術』二六八、至文堂、一九八八)【図版】巻末付録


【参照項目】➡涅槃会


【執筆者:多川文彦】