「歎経偈」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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たんきょうげ/歎経偈
誦経前に唱える偈文。「念念思聞浄土教 文文句句誓当勤 憶想長時流浪苦 専心聴法入真門」(『法事讃』上、浄全四・九下)。「念々に浄土の教えを聞くことを思い、一文一句に誓って、まさに勤めるべきである。これまでの長い流浪の苦しみを思い起こして、心を専らにして法を聴き、浄土の真門に入れ」との意。浄土法門の説示を聴聞し、真如法門に転入することを勧示することを目的として用いている。『法要集』では、開経偈として「無上甚深微妙法」の偈文と、この二種を記している。経典の功徳を讃歎する偈文の意で歎経偈と称した(浄全四・九下)。また開題偈とも称した(『浄土苾蒭宝庫』下・六ウ)。同一法要内に附回向などで誦経するときに開経偈を二度重複して用いないために使用されることがある。
【参考】大谷旭雄監修/柴田泰山編『浄土宗読誦聖典』四(四季社、二〇〇一)
【参照項目】➡開経偈
【執筆者:福西賢雄】