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「色即是空空即是色」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:26時点における最新版

しきそくぜくうくうそくぜしき/色即是空空即是色

およそ形あるものには実体がなく、本来実体がないものこそすべての事物の姿である、という意味。「色は即ちこれ空、空は即ちこれ色なり」と読み下す。Ⓢrūpaṃ śūnyatā śūnyataiva rūpaṃなどが原文にあたる。玄奘訳『般若心経』に説かれる名高い一節。般若思想の精髄を説く三〇〇字にも満たない簡潔な経文の中で、もっとも人口に膾炙かいしゃした空の理法を説き表す教えである。もとより五蘊皆空を説く教えであるから、「受想行識もまたかくのごとし」と続く。あらゆる存在現象は生滅変化して常住不変なる実体性がないのであり、常住不変な実体性がないところからあらゆる存在現象がありうる。空とはとらわれのないことで、般若思想の眼目である。古来、「色即是空」の言い回しが妙に一人歩きして、得たりとばかり合点されて、後句の「空即是色」が忘れられているという趣きもあるが、両句をあわせて空の論法の一つの極致を示す至言である。


【参照項目】➡五蘊


【執筆者:勝崎裕彦】