「業処」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版
ごうしょ/業処
禅観を修めるに当たり心を凝らす対象のこと。パーリ仏教に説かれるⓅkammaṭṭhānaの訳語。『Visuddhimagga』(邦訳『清浄道論』)三には一切処業処と応用業処としての四〇の業処(十遍・十不浄・十随念・四梵住・四無色・一想・一差別)が説かれている(南伝六二・一九七、二二〇~二)。『観経』に「我れをして清浄業の処を観ぜしめたまえ」(聖典一・二九〇/浄全一・三八)との用例があり、その業処をこのⓅkammaṭṭhānaと同じ用法と捉えて『観経』の成立をインド撰述説に導く学説があるが、漢訳文献において業処を禅観の対象とする用例は他にないとされ、「清浄業処」と比較すべき必然性はないとも指摘されている。
【参考】浪花宣明校註『解脱道論』(『新国訳大蔵経』一九論集部五、大蔵出版、二〇〇一)、並川孝儀「『観無量寿経』の清浄業処について」(佛教大学総合研究所紀要別冊『浄土教の総合研究』、一九九九)、平川彰『浄土思想と大乗戒』(『平川彰著作集』七、春秋社、一九九〇)
【参照項目】➡清浄業処
【執筆者:袖山榮輝】