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「耆婆」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:22時点における最新版

ぎば/耆婆

生没年不明。釈尊在世時代の名医。正しくはⓈJīvaka kumārabhṛtyaⓅJīvaka komārabhaccaと呼ばれ、耆婆は略した音写語。耆婆伽、時縛迦などと音写し、能活、更活などと訳す。マガダ国に生まれる。両親については諸説あるが、母親が娼婦であったことは諸伝に一致する。娼婦の習わしから、生まれてすぐに路傍に捨てられたのを、王家の人間に救われ、育てられたとされる。長じて医学を学び、頻婆娑羅びんばしゃら(ビンビサーラ)・阿闍世あじゃせ(アジャータシャトル)の二王に仕えると共に、多くの人々や釈尊をはじめとする仏弟子たちの病気を治療した医師。『観経』では、阿闍世太子が頻婆娑羅王を幽閉中、食事を届けた韋提希いだいけ(ヴァイデーヒー)夫人に腹を立て殺そうとしたとき、耆婆が「大王。慎んで母を害することなかれ」(聖典一・二八九/浄全一・三八)と諫めたとされる。


【執筆者:榎本正明】