「和上誦偈」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
わじょうじゅげ/和上誦偈
得度式において、和上が新発意に灌頂し讃えて唱える偈文。「善哉大丈夫 能了世無常 捨俗趣泥洹 希有難思議」。『四分律行事鈔』下四(正蔵四〇・一五〇上~下)に出る。今まさに「報恩偈」を誦し終わり俗服を脱ぎ発心出家をしようとしている殊勝なる人の意志が固いことを讃え、よく世の無常を悟り、俗を捨て涅槃に向かうのはまれであり、普通では思いもよらないことであるとの意。浄土宗の得度式はこの『行事鈔』の沙弥剃髪の作法次第を受け継いでいる。『浄土剃髪略式』や『浄土苾蒭宝庫』上(四一オ)の「剃度略作法次第」に出るが、『法要集』では「得度式」に出て「剃度式」にはない。『浄土宗法式精要』(一九二二)の「得度式」には「和尚誦偈」と偈題する。佛教専門学校編『浄土宗辞典』に「灌頂讃歎偈」として載る。「灌頂讃歎」という偈題は、『国訳一切経』律疏部二の当該箇所の注に出る。
【参照項目】➡得度式
【執筆者:巖谷勝正】