「葉上釈迦」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
ようじょうしゃか/葉上釈迦
盧舎那仏が座る蓮台の葉の上に、その化身として現れた釈迦のこと。『梵網経』上(正蔵二四・九九七下)では、蓮華蔵世界に住む盧舎那仏の座る蓮華座には千の蓮弁の葉があるとし、その一枚一枚の葉の上で盧舎那仏の化身である千の釈迦が説法し、さらにその一葉のなかに百億の世界があって、そこに百億の菩薩釈迦が化身として現れ、合わせて千百億の釈迦が現れ説法すると説く。東大寺大仏殿の盧舎那仏像は、この世界観に基づくとされ、中心の盧舎那仏は「蓮台上の本仏」、千葉の釈迦を「葉上の大釈迦」、大釈迦のもとにいる菩薩釈迦を「千百億の小釈迦」という。この世界観はヴィシュヌとブラフマーを物語るインド神話との関わりが指摘されている。
【参考】定方晟『インド宇宙誌』(春秋社、一九八五)、橋本聖円『東大寺と華厳の世界』(同、二〇〇三)
【参照項目】➡毘盧遮那仏
【執筆者:北條竜士】