「浅学衆・碩学衆」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:27時点における最新版
せんがくしゅう・せきがくしゅう/浅学衆・碩学衆
近世檀林において養成された浄土宗侶を、修学の深さの上から二段階に分類したもの。自行分の宗要だけを限定的に承けた者を浅学衆、さらに学問を深め化他の資格を承けた者を碩学衆と称する。室町末期からの戦乱の中でやむを得ず学業半ばにして帰郷せざるを得ない僧衆が多く輩出される問題が生じた。そうした事情を鑑み、聖冏に始まる五重相伝が聖観による改変を経て簡略化されていった。貞把、存貞ならびに幡随意は、自行の宗要である五重のみを伝授(五重自証門伝)することで一応の宗侶と扱った。これを浅学衆という。これらのうち、さらに研鑽を積んで修学一五年以上を経た者には、宗脈を伝授(宗脈化他門伝)し化他の資格が与えられた。これを碩学衆という。浄土宗法度には碩学衆への円頓戒授受は道場・規式を整えて執行すべき旨が規定されており、また璽書は修学二〇年を経なければ承けることができないと規定されている。
【参照項目】➡浅学相承・碩学相承
【執筆者:渋谷康悦】