「浄土教の起原及発達」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:25時点における最新版
じょうどきょうのきげんおよびはったつ/浄土教の起原及発達
望月信亨著。昭和五年(一九三〇)四月、共立社刊。浄土教の起源とその発達について究明を試みた書。構成は、五編二八章からなり、最後に索引が付せられている。各編の構成は以下の通り。第一編、経典論(第一~六章)。第二編、仏陀論(第七~一二章)。第三編、本願論(第一三~一六章)。第四編、浄土論(第一七~二三章)。第五編、実践論(第二四~二八章)。本書において言及される内容は多岐にわたるが、これは著者が、弥陀浄土教の起源に論及するにあたり、原始大乗仏教の根本思想の究明や、経典成立史についての検討が必要であると感じていたことによる。また第五編の実践論については、浄土を求める人々のための参考として記したものとする。このような意識のもと、多くの資料を駆使して問題を解明しようとする試みは、高く評価される。もちろん個々の学説については、批判・検討すべきものが含まれるが、浄土教研究を志す者には、示唆に富む一書である。昭和四七年(一九七二)九月、山喜房仏書林より復刻再刊。また第一編は大幅に増補改訂され『仏教経典成立史論』(法蔵館、一九四六)として刊行されている。
【参照項目】➡仏教経典成立史論
【執筆者:石田一裕】