「浄業記」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:25時点における最新版
じょうごうき/浄業記
第三巻のみ存。著者不明。鎌倉時代の書写と推定される写本が金沢文庫に所蔵される。残存部には宝楼観・十三観・十一観などの記事があり、また『十疑論』や天台宗山外派の智円を引用することから、天台教学に基づいて著された『観経』に関連する著作と考えられる。『仏祖統紀』一五には、山外派の如湛(—一一四〇)が同名の『浄業記』四巻を著したとあるが、如湛本は散逸しておりその内容を把握することはできない。しかし、如湛が浄土教に造詣が深かったことや、『観経』の注釈書を残していることから、本書との関連性が注目される。
【参考】塚本善隆「金沢文庫所蔵浄土宗学上の未伝稀覯の鎌倉古鈔本」(浄土学二、一九三三)
【執筆者:石上壽應】