「三国遺事」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版
さんごくいじ/三国遺事
五巻。高麗僧の一然(一二〇六—一二八九)が晩年に撰述した書物。新羅・高句麗・百済の三国の仏教全般に関する遺事集で、史書的な側面も有する。冒頭には年表的な「王暦」が附され、本篇は紀異・興法・塔像・義解・神呪・感通・避隠・孝善の八篇目から成る。本篇の構成には中国高僧伝の影響が窺え、元暁、義湘、憬興、義寂、玄一、太賢など新羅仏教の学僧たちの事跡研究に欠かせない資料である。しかし弟子の無極による註記をはじめ、後世の加筆が混入している点には留意する必要があり、初刊本(一三九四年本)と重刊本(壬申本)の文献批判研究に基づいた古層復元が待たれる。
【所収】朝鮮史学会編・末松保和校訂『三国遺事』(国書刊行会、一九七三)
【参考】河延龍「天理図書館所蔵『三国遺事』について—日本における『三国遺事』研究の動向に関連して—」(『天理図書館報 ビブリア』一二六、天理大学出版部、二〇〇六)
【執筆者:加藤弘孝】