「三階仏法」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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さんがいぶっぽう/三階仏法
四巻。三階教の開祖、信行(五四〇—五九四)撰。隋末の新興仏教教団である三階教の教義を述べた教典。全仏教を時と処と人とによって三階に分類し、今は正法・像法の時代ではなく、まさに第三階末法のときであるから、衆生の行法は普真普正の仏教であるとし、それが普法であるとして、悲田・敬田を重視し、とくに悲田を中心として、徹底した平等の布施に終始すべきことを説いている。古く日本に流伝して、大屋徳城はその古写本を大正一四年(一九二五)影印刊行し、矢吹慶輝はスタイン本、ぺリオ本の三階仏法の研究をも附加して、その研究を大成した。その後さらに西本照真は本テキストを詳細に検討し、問題点を指摘している。
【資料】大屋徳城校訂『三階仏法』(便利堂、一九二五)
【参考】矢吹慶輝『三階教之研究』(岩波書店、一九二七)、西本照真『三階教の研究』(春秋社、一九九八)
【参照項目】➡三階教
【執筆者:金子寛哉】