「三因仏性」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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さんいんぶっしょう/三因仏性
三種類の仏性、すなわち正因仏性・了因仏性・縁因仏性のこと。三仏性ともいう。正因仏性は衆生に本来そなわる仏性、了因仏性は本来そなわる仏性を知る智慧、縁因仏性は本来そなわる仏性を開き、仏性を知るための智慧の助けとなる様々な善行のこととされる。これら三つの仏性は『大般涅槃経』師子吼菩薩品を典拠として、特に智顗の著作においてよく見られる。智顗は様々な角度からこの三つの仏性を考察し、空仮中の三諦と結びつける理解もおこなっている。その場合、正因仏性は中と、了因仏性は空と、縁因仏性は仮と結びつく(『金光明経玄義』正蔵三九・八上)。またこの三つの仏性に果性(菩提にそなわる智慧の徳)と果果性(涅槃にそなわる煩悩を断じた徳)が加えられ五仏性とされることもある。
【参照項目】➡仏性
【執筆者:石田一裕】