「元賢」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
Seishimaru (トーク | 投稿記録) 細 (1版 をインポートしました) |
|
(相違点なし)
|
2018年3月30日 (金) 06:23時点における最新版
げんけん/元賢
明・万暦六年(一五七八)—清・順治一四年(一六五七)。中国福建省建陽の人。宋代の有名な儒学者蔡元定の一四代の孫で、蔡氏、字は永覚。四〇歳のとき出家し、具足戒を受けた。崇禎六年(一六三三)聞谷広印に師事し、袾宏の戒本を授けられた。その後、宝善庵、福州の鼓山湧泉寺、泉州開元寺、真寂院などの住職を歴任。彼の努力により鼓山湧泉寺は、八閩叢林の中心となった。思想の面では、禅浄双修を主張し、禅・浄・儒の関係を調和しようと尽力した。彼の浄土思想の主旨は、『楞厳経』の説示に基づき、六根をすべて摂して浄念を持ちつつ、一つ心に仏名を称することである。また福徳は、念仏三昧の不可欠な条件と主張した。著作に『浄慈要語』、『楞厳経略疏』一〇巻、『金剛経略疏』一巻、『永覚和尚広録』三〇巻、『継灯録』六巻などがある。
【参考】『永覚元賢禅師広録』(続蔵七二)、震華『中国仏教人名大辞典』(上海辞書出版社、一九九九)、望月信亨『中国浄土教理史』(法蔵館、一九四二)
【執筆者:肖越】