「轆轤」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:35時点における最新版
ろくろ/轆轤
木材を吊り上げる滑車(木工用、陶芸用とは異なる)のことで、阿弥陀仏の凡夫に対する救済力の譬えとして用いられる。『四十八巻伝』一九には、かつて、浄土門への不信を打ち明けた比叡山の僧侶が、あるとき東大寺に詣でた際、屋根の棟木となる巨大な材木が軽々と轆轤で吊り上げられるのを見て驚き、阿弥陀仏の救済力はこれ以上に優れているのだと得心したことを法然に語ったという逸話を載せている。『日本三代実録』には、籠に乗り轆轤で吊り上げられた僧侶が東大寺大仏の点睛を行った記事、また落ちた大仏の頭を吊り上げた記事が見える。
【資料】『日本三代実録』貞観三年三月十四日条(『国史大系』四、吉川弘文館)、貞観九年四月四日条(同)
【執筆者:東海林良昌】