「荼毘式」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版
だびしき/荼毘式
火葬する直前に行う法要儀式。火葬場で遺体を荼毘に付すときに火葬炉前で勤める回向のこと。かつては火葬場以外に、荼毘のための三昧堂または火屋が設けられ、そこで引導・誦経を勤めてから荼毘に付した。三昧堂での式を三昧式といい、火屋での式を露地式という。現在では、衛生上の問題もあり条例ともあいまって、全国に公営・民営の火葬場が整備されている。一部土葬が認められている地域を除いて、市町村長の「火(埋)葬許可証」の発行により、遺体が荼毘(火葬)に付される。地域によっては、葬送の列を組んで火葬場まで遺体を運ぶが、霊柩車で運ばれることがほとんどである。火葬場の設備によって、告別室(荼毘式専用の部屋)で回向の後に炉前に移動する場合と、火葬室の炉前で回向する場合など地域差がある。荼毘式は、葬儀式の一連の流れの中で行われるもので、式次第は根本陀羅尼・摂益文・念仏一会・回向文・十念という正宗分のみの法要である。
【執筆者:中村瑞貴】