「西方要決釈疑通規」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
Seishimaru (トーク | 投稿記録) 細 (1版 をインポートしました) |
|
(相違点なし)
|
2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版
さいほうようけつしゃくぎつうき/西方要決釈疑通規
一巻。『西方要決』『西方要決釈疑』とも称する。基撰とされるが偽撰説もある。七世紀頃成立か。諸経論の説と浄土教義との相違や、浄土教義に対する疑難を通釈し、西方往生を勧める書。念仏による浄土往生に対する疑難、西方と兜率の優劣、女人根欠二乗種不生説、別時意説などの一四種の疑難について答えている。第一一では三階教徒からの疑難を会釈している。『往生要集』『往生拾因』『選択集』等に引用される。『選択集』一では浄土宗の宗名の例として「また慈恩の『西方要決』に云く、〈この一宗に依る〉と」(聖典三・九九)と後序の文を証とし、また聖浄二門判は『西方要決』では三乗・浄土として説かれるとしている。また『選択集』九では、善導『往生礼讃』とともに『西方要決』を引文として挙げている。なお本書の撰者について、基は兜率願生者であることなどから、仁和寺済暹は偽撰とし、良忠は真撰とする。
【所収】浄全六、正蔵四七
【参考】浅野教信『講本 西方要決』(永田文昌堂、一九九三)
【執筆者:曽和義宏】