良聖りょうしょう執筆。金沢文庫に写本が所蔵されている。刊本は存在しない。良聖が良忠の講義を多く筆録している点から、良忠による『俱舎論』の口述とも考えられている。奥書によると書写年代は正嘉元年(一二五七)であり、「下総国印東庄石橋郷」で書写が終わったとされる。
【資料】塚本善隆「浄土宗学上の未伝稀覯の鎌倉古鈔本」(『今岡教授還暦記念論文集』浄土学五・六、一九三三)
【執筆者:石田一裕】