「夢中問答集」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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むちゅうもんどうしゅう/夢中問答集
三巻。『夢中問答』、略して『夢中集』とも。夢窓疎石著。康永三年(一三四四)刊。臨済宗仏光派の夢窓疎石が、足利尊氏の弟である足利直義の問いに答えたもの。片仮名まじりの文体で綴られている。浄土教については、了義大乗ではなく小乗浅劣と評し、あるいは念仏行を修する人を誹謗大乗とするなど批判的な立場を取っている。本書への反駁書として澄円『夢中松風論』一〇巻があり、これに対して夢窓疎石が『谷響集』二巻をもって応答し、さらに澄円が『獅子伏象論』六巻を著した。また、聖冏『破邪顕正義』一巻(『鹿島問答』)においても、本書による浄土教批判への反論が行われている。(編集部)
【参考】川瀬一馬校注・現代語訳『夢中問答集』講談社学術文庫、二〇〇〇)、西村恵信『夢中問答入門—禅のこころを読む』(角川ソフィア文庫、二〇一四)
【執筆者:編集部】