「無後心・有後心」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:34時点における最新版
むごしん・うごしん/無後心・有後心
無後心とは、臨終時に残された時間が少ないことをさとり、一事に集中して定まった心。有後心とは、それとは逆に、平生時において残された時間が逼迫しておらず、後刻、後日を予想することができるため、一事に集中できていない心。曇鸞『往生論註』上には「彼の造罪の人は有後心・有間心に依止して生じ、此の十念の者は無後心・無間心に依止して生ず」(浄全一・二三六下)とある。また『大智度論』二四には、臨終時の心について、「是の死に垂れんとする時の心は、決定して猛健なるが故に、百歳の行力に勝る」(正蔵二五・二三八中)と説かれている。
【資料】『往生論註』上、『往生論註記』三、『往生論註拾遺鈔』中(以上、浄全一)
【執筆者:石川琢道】