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「道祖神」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:30時点における版

どうそじん/道祖神

地域によってサエノカミ(塞の神)・ドウロクジン(道六神)、また古くは久那土・岐神・猿田彦などともよばれ、日本の民間神の中でもっとも親しまれている神の一つである。特に長野県・静岡県・山梨県・富山県・新潟県等の中部日本で多く祀られ、関西以西の地域には比較的少ない。道祖神は、一般には村の境界や辻に祀られ、村内に厄神などの邪霊悪霊が入り込むのを防ぐ機能を有するが、その他に病気治癒・男女の和合・子授け・安産・豊穣など、地域によってきわめて多様な信仰の対象とされている。道祖神祭りは小正月に行われることが多く、火をともなうものも見られ、また祭りは子どもが主体となる例が多い。その神像の多くが男女一対の双体形や陰陽形をとり、抱擁や接吻等の所作を表すものが多いために、これまでは性的性格のみが強調されがちであった。しかし道祖神は性に関するもの以外にきわめて多様な信仰的要素を有しており、その性格については、今日までまだ定説はないといえる。


【参考】倉石忠彦『道祖神信仰論』(名著出版、一九九〇)、大島建彦『道祖神と地蔵』(三弥井書店、一九九二)


【参照項目】➡地蔵信仰縁結び


【執筆者:八木透】