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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0049A01: 是我子なりと說給へり。爰に知ぬ佛より外には助け
Z15_0049A02: 給はぬ我ぞと心えて。人知らず心をしづめて憑むべ
Z15_0049A03: き也。又西方世界へ向て人の子の母よ母よと云んが
Z15_0049A04: 如くに。阿彌陀佛阿彌陀佛と申さんには。是を哀み
Z15_0049A05: 給はぬ佛おはしまさざらんや中にも
Z15_0049A06: 十方如來大慈悲   皆集一體觀世音
Z15_0049A07: 西方稱爲阿彌陀   娑婆示現觀世音
Z15_0049A08: 八寒八熱那落迦   大悲一人代受苦
Z15_0049A09: 文の意は如來慈悲の餘りに。紅蓮大紅蓮の底に入て。
Z15_0049A10: 我等に替つて慈悲の肝をくだき。焦熱大焦熱の中に
Z15_0049A11: 我等に替て忍辱のはだえをこがし給ふ。哀れなる
Z15_0049A12: 哉。恩もしらぬ我等が故に。靑蓮のまなじりより紅
Z15_0049A13: の泪を流し給ふ。されば大慈悲三昧經に曰。
Z15_0049A14: 法身遍滿諸衆生   客塵煩惱爲覆藏
Z15_0049A15: 不知我身有如來   流轉生死無出期
Z15_0049A16: といひ。華嚴經には
Z15_0049A17: 毘盧遮那淸淨性   三界五趣體皆同
Z15_0049B01: 由妄念故沈生死   由實智故證菩提
Z15_0049B02: と說給へり。彼法性眞如の理は。十方の佛菩薩にも。
Z15_0049B03: 一切衆生にも。蟻けらに至る迄も。露塵かはる事な
Z15_0049B04: く。皆いませ共たふろき迷へる故に。此生死には沈
Z15_0049B05: めり。所以に妄想を留めて。我身の佛性を觀念すべ
Z15_0049B06: きなり。我心是諸佛の心なり。諸佛の心此れ我心な
Z15_0049B07: り。法身同きが故に。眞如一なるが故に。法身同なれ
Z15_0049B08: ば報身應身皆同じ。三身皆同ければ一切の相好功德
Z15_0049B09: 皆同じ。故に我身の佛性を觀ずるが則三世十方の諸
Z15_0049B10: 佛を念じ奉る功德とは成るなり。是を三身とも佛性
Z15_0049B11: とも乃至眞如とも實相とも申すなり。殊に此觀念を
Z15_0049B12: ば女人の修すべき觀なり。其故は或云く如此我身の
Z15_0049B13: 中に無始より佛おはしますと能能知ぬれば。骨をも
Z15_0049B14: くだかず。命をも捨ざれども。彼龍女が如く。最上
Z15_0049B15: 利根の者は。刹那に心を發して。須臾に佛に成なり。
Z15_0049B16: (タトヒ)龍女に及ばざらん者は。須臾の間にこそ佛になら
Z15_0049B17: ずとも。人の根性同じからず。或は一日二日若は一

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