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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0219A01: せむるにまかせて。(二五五)身のつかる〻事をわすれ
Z08_0219A02: たり。(二五六)このうへの(二五七)くるしみは。ふでの
Z08_0219A03: したにもいか▲しるしあへ(敢)ん。(二五八)すべては。
Z08_0219A04: (二五九)さも(二六〇)かず〱に。(二六一)うたてう。
Z08_0219A05: (二六二)心に物のかなはぬ世ぞかし。(二六三)あるは
Z08_0219A06: あるにつけてうれへ。(二六四)なきはなきにつけてう
Z08_0219A07: れふ。(二六五)もとむるより。(二六六)うるにいたるま
Z08_0219A08: で。(二六七)わづらひならずといふ事なし。(二六八)こ
Z08_0219A09: のおほくのわづらひにかへ(替)て。いさ〻かの樂をお
Z08_0219A10: もふ。まことに小利大損なり。(二六九)癡案(二七〇)こ
Z08_0219A11: れわら(可笑)ひつべし。(二七一)いはんや。(二七二)なき
Z08_0219A12: は(二七三)うれへのかろむにてこそあれ。(二七四)あ
Z08_0219A13: るがまこと(眞)の樂にてはなき物を。(二七五)つや〱
Z08_0219A14: (一切)無利の勤苦なり。(二七六)狂醉。(二七七)それ(其)
Z08_0219A15: にくまざらんや。(二七八)たとへば。(二七九)をもきを
Z08_0219A16: になひて。かたをかゆる。くるしみ。なをのこらざるに
Z08_0219A17: あらず。さらに。(二八〇)名利の重擔を(二八一)なげす
Z08_0219A18: てずより(自)は。いかでかうれへなき事をえん。さて
Z08_0219A19: も。(問也)(二八二)なにほどの名利なればか。又さのみ。(二八
Z08_0219A20: 三)かく(是)まで(二八四)くるしさにた(堪)へては。(二八
Z08_0219B01: 五)もとむべからん。(二八六)た▲(答也)二八七ゆへ(故)もな
Z08_0219B02: く。(二八八)ひたおもむ(直趣)きに(二八九)まよへるなる
Z08_0219B03: べし。(二九〇)この小國邊土に(二九一)うまれては。た
Z08_0219B04: とひ(二九二)帝たらんすら。よろこぶべきにたらず。
Z08_0219B05: (二九三)轉輪王にならぶれば。(二九四)なをし(コツ)(ガイ)(ニン)
Z08_0219B06: (二九五)ごとしといへり。(二九六)まして。(二九七)かれ
Z08_0219B07: 彼カシコ)につかふる(二九八)つら(列)にだにも。(二九九)か
Z08_0219B08: ず(數)まへらるべき。(三〇〇)身の程(三〇一)ならぬに。
Z08_0219B09: われはと(三〇二)きそく(氣色)ばめるも。(三〇三)むげ
Z08_0219B10: (無下)に。(三〇四)あなづ(蔑)らはしき心なり。(三〇五)
Z08_0219B11: 天仙の(三〇六)つまはじき(彈指)して。(三〇七)はづかし
Z08_0219B12: めかなしむらん。げにことはりにもすぎたり。(三〇八)
Z08_0219B13: されどもはぢなく。(三〇九)心のかさなきものは。(三
Z08_0219B14: 一〇)ほど〱につけて。(三一一)それがしの()(ニン)
Z08_0219B15: どいふを。(三一二)かへりて(三一三)いみじき(三一四)
Z08_0219B16: 名聞にして。(三一五)たま〱。うへなき(無上)みちに
Z08_0219B17: いる(三一六)佛の()()をば。(三一七)非人なりと(三一八)
Z08_0219B18: おとし(貶)め。(三一九)身をいたづらになしぬ(畢)と。
Z08_0219B19: もど(熟)く。(三二〇)これおかし(可笑)きゑいざま(醉樣)
Z08_0219B20: なり。(三二二)いざしらず。(三二三)たれをか非人とい

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