浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J20_0563A01: | ども聖聰に嗣法する以前に蓮譽に師事したりと云 |
J20_0563A02: | ふ。蓮譽の行跡は不明なるも。同じく聖聰の弟子に |
J20_0563A03: | して。且其法嗣善譽良敏。其法孫法譽が相繼ぎて百 |
J20_0563A04: | 萬遍の廿世廿一世たる事實に考合すれば。京都殊に |
J20_0563A05: | 百萬遍に深縁ありし人たりしが如し。從て慶竺の入 |
J20_0563A06: | 洛も蓮譽に關聯する所あるが如し。彼が入洛の年月 |
J20_0563A07: | 不明なるも。永享七年七月に三經直談要註記を筆受 |
J20_0563A08: | し。其翌年六月當麻曼陀羅疏の聖聰の草稿を淨寫し |
J20_0563A09: | たりと云ひ。又彼が知恩寺に住し。後花園天皇より |
J20_0563A10: | 知恩寺は淨土宗第一たるにより香衣被着參内敕許の |
J20_0563A11: | 宣旨を賜はりしは。嘉吉三年正月十一日にありしを |
J20_0563A12: | 以て。永享七年より嘉吉三年の間にあるや明なり。 |
J20_0563A13: | 慶竺は尚文安六年五月二十一日。朝家千載の榮運を |
J20_0563A14: | 祈るべき綸旨を賜はる等。朝廷の覺え甚目出度。より |
J20_0563A15: | て以て宗運を隆にしたること甚大なりしが如し。彼 |
J20_0563A16: | 始めは知恩寺に住し第十九世の住持たりしが。後に |
J20_0563A17: | 知恩院を兼帶し第二十一世の住持たり。從來祖忌を |
J20_0563B18: | 修する年久しかりしも未だ一定せる法式なく。各山 |
J20_0563B19: | 及末寺夫夫區區たりしが。慶竺深く之を憂ひ。諷誦 |
J20_0563B20: | 法則を制定して之を各山に示し。末寺に及ぼし。本 |
J20_0563B21: | 宗祖忌の永式となれり。 |
J20_0563B22: | 慶竺以前譽號を有するもの。百萬遍第十世に信譽 |
J20_0563B23: | 善久あり。知恩院第十九世に堯譽隆阿ありと雖も。其 |
J20_0563B24: | 譽號が關東の譽號と同一なる否やは不明なり。故に |
J20_0563B25: | 史上明に關東系統にして京都本山に董職したる最初 |
J20_0563B26: | の人は慶竺なりと云はざるべからず。慶竺一たび京 |
J20_0563B27: | 都に入りてより關東の法流は滔滔として京畿に漲溢 |
J20_0563B28: | するに至れり。即ち百萬遍は聖聰門下蓮譽の弟子善 |
J20_0563B29: | 譽良敏。善譽の弟子法譽相次ぎ第二十世第二十一 |
J20_0563B30: | 世となり。其後も然譽・眞譽・聖譽・傳譽・賀譽等相 |
J20_0563B31: | 次ぎて帶譽號の住持たり。同時に黑谷にも西譽。弘 |
J20_0563B32: | 譽。性譽等の住持あり。淨華院にも定譽・專譽・潮 |
J20_0563B33: | 譽・信譽等の名世代中に散見するに至り。遂に四箇本 |
J20_0563B34: | 山は白旗正統の領有に歸せり。 |