浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J20_0317A01: | 上人曾て越後遊化の時賊のために將に刺されんと |
J20_0317A02: | す上人自若和歌を詠じて其難を免ると山内天養院 |
J20_0317A03: | は上人の開く所なり |
J20_0317A04: | 第三十二世奉譽上人は見蓮社聖傳と號す山城鳥羽の |
J20_0317A05: | 人姓は藤原氏幼にして範譽上人玉繩二傳寺住に師事し鎌 |
J20_0317A06: | 倉檀林 掛錫して佛乘を極め八幡正法寺に於て敎 |
J20_0317A07: | 筵を張り次て當寺に晋む上人の道德時に長して世 |
J20_0317A08: | 擧て信服す殊に豐太閤の歸崇あり天正十八年其翼 |
J20_0317A09: | 賛を得て寺域を小川の西より寺町〓神口府立病院所在地附近に移 |
J20_0317A10: | し應仁亂後の荒廢を復興し輪奐宏壯を極むと舊記 |
J20_0317A11: | によるに釋迦堂十二間十 間勢至堂五間四方祖師堂十六間十三間大方丈 |
J20_0317A12: | 十五間九間五重大塔五間四面輪藏七間四面小方丈七間五間集會堂十間八間黑 |
J20_0317A13: | 書院五間四間對面所五間三間門四間三間庫裡十五間十三間山門六 間十一間四天王 |
J20_0317A14: | 門五間九間裏門等ありて境内東西八十間南北百間なり |
J20_0317A15: | しと云ふ山内慶雲院姬路正法寺は上人の建立にし |
J20_0317A16: | て慶長十五年正月十八日慶雲院に於て示寂 |
J20_0317A17: | 第三十三世幡隨意上人は相模藤澤の人範譽上人玉繩二傳寺住 |
J20_0317B18: | に就て得度し鎌倉に掛錫して奉譽上人に事へ河 |
J20_0317B19: | 越に移て才學四哲の稱あり又道德群を拔く心弘法 |
J20_0317B20: | に顓にして去留に吝ならず縁に應じて精舍を開創 |
J20_0317B21: | せるもの頗る多し慶長辛丑上人年六十洛に移て當 |
J20_0317B22: | 山に主たり舊例に由て紫を賜ふ後陽成帝上人の聲 |
J20_0317B23: | 譽を聞召し内に入れて道を問ひ給ふ答説叡旨に契 |
J20_0317B24: | ひ褒賞を賜ふこれより其化洛の内外に及び衆人推 |
J20_0317B25: | 服せずと云ふことなし後辭山し元和元年正月五日寂 |
J20_0317B26: | 壽七十四 |
J20_0317B27: | 第三十四世德譽上人は天蓮社魯公と號す台命を奉し |
J20_0317B28: | て遠州橫須賀選要寺より當寺に晋む當寺もと敕請 |
J20_0317B29: | により晋董するを例とせしか玆に其式改まり住職 |
J20_0317B30: | 台命に依て進退することとなれり上人代元和元年七 |
J20_0317B31: | 月廿七日黑印を以て門前境内の諸役を免せられ同 |
J20_0317B32: | 三年七月廿一日台德公朱印を以て山城深草村に寺 |
J20_0317B33: | 領三十石を賜ふ上人晩年伏見慶傳寺に退き寬永八 |
J20_0317B34: | 年五月十一日寂 |