浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J20_0246A01: | あられければ實に末代良導の本尊なりとてかの寺よ |
J20_0246A02: | り迎へらる此時海中にて靈驗等あり着船すみて本堂 |
J20_0246A03: | に安置し七日の別時をはじめ毎日法談の時必此尊の |
J20_0246A04: | ことを演説せらる夫より度度回祿ありしかどいつも |
J20_0246A05: | 炎災なくして今時猶嚴然たり則ち今靈巖寺の本尊是 |
J20_0246A06: | なり |
J20_0246A07: | 珂山功操 |
J20_0246A08: | 當山既に靈巖島にて開祖土木の功を得大伽藍成就し |
J20_0246A09: | 又台命によりて本宗の學所たる大檀林所十八員の其 |
J20_0246A10: | 一に加はり入て眞俗の繁榮諸宗に希なる事どものみ |
J20_0246A11: | ならず殊に檀家も數多あり且所化も諸方より集り來 |
J20_0246A12: | り法問講釋怠慢なかりしに明曆三年正月十八日本郷 |
J20_0246A13: | 丸山本妙寺日蓮宗勝劣派越後本成寺觸頭よりの出火にかかりて境内 |
J20_0246A14: | 諸堂坊舍聖敎神祠佛堂子院學寮鐘閣塀牆まで殘らず |
J20_0246A15: | 燒失すさればとて再建せずしてやむべきにあらざれ |
J20_0246A16: | ど江戸一圓の類燒人數十萬八千余も死亡せるほどな |
J20_0246A17: | れば檀家ことことく同燼なる故直には力に及ばされ |
J20_0246B18: | ば追おいに再建の助勢をなしけるに萬治二年三月十 |
J20_0246B19: | 八日台命によりて寺を此地に移させらる |
J20_0246B20: | 萬治記云二年巳亥八月三日靈巖寺を以て公用の地 |
J20_0246B21: | とす和尚自らの力をもて築し處なれば公より寺領 |
J20_0246B22: | 五十石を寄附せられ御朱印をも賜り寺地を東南葛 |
J20_0246B23: | 西に移さる江戸砂子云第二世松蓮社大譽上人珂山 |
J20_0246B24: | 和尚の代にあたり明曆三年正月十八日の回祿のの |
J20_0246B25: | ち此地に移さる是又海濱也珂山の門人大蓮社珂碩 |
J20_0246B26: | 和尚に命して境内を築しむ |
J20_0246B27: | 此時寺主開山より第三世珂山上人道德に長じ弟子珂 |
J20_0246B28: | 碩和尚是又超凡絶倫の高哲なりしかば漫漫たる海に |
J20_0246B29: | つづける芦原を苅拂ひ檀家はことことく同燒せしか |
J20_0246B30: | ど師の德力に集りて築立しかば程なく境内成就し不 |
J20_0246B31: | 日に大伽藍造立あり此時松平遠江守開基の號あり人 |
J20_0246B32: | 夫若干を出し梵刹は一己の造營となり依て當山の役 |
J20_0246B33: | 所は九曜を以て定紋とす是より當山移境の煩なかり |
J20_0246B34: | しかばつひに海東第一の大厦となれり |