ウィンドウを閉じる

J2810 華頂誌要 華頂山編 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0219A01: 俗に千疊敷と呼ひ、誦經講學等大衆集會の道塲也。
J19_0219A02: 此堂と本堂との中間に渡廊東西三間南北十五間あり。是より内
J19_0219A03: 部大小方丈に至る廊椽は、すへて鶯張と稱して嬌音
J19_0219A04: を發す。
J19_0219A05: 中壇に安置する所の彌陀三尊は惠心僧都の作、德川
J19_0219A06: 家光公の寄附に係る。此堂の西面に玄關あり。其正
J19_0219A07: 面の門を武家門と云ふ。
J19_0219A08: 此堂より大方丈に至る渡廊南北二間半東西九間半の中央南方に、
J19_0219A09: 方二間半の車寄あり。唐門より通す。共に保護建造
J19_0219A10: 物なり。
J19_0219A11: 唐門 御影堂の後方東に偏し、集會堂、大方丈の
J19_0219A12: 中間前面にあり。明二間、四脚、檜皮葺なり。寬永年
J19_0219A13: 中の造營にして、明治四十三年八月特別保護建造物
J19_0219A14: に編入せらる。
J19_0219A15: 大方丈 集會堂の東側に連接す、梁行十三間半、
J19_0219A16: 桁行十九間、南面、檜皮葺なり。寬永年間の建立に
J19_0219A17: して、明治四十三年八月特別保護建造物に編入せら
J19_0219B18: る。室内は佛間、拜之間、上段之間、中段之間、下
J19_0219B19: 段之間、裏上段之間宮御得度の間菊之間、鶴之間、鷺之間、
J19_0219B20: 梅之間、柳之間の十一房に區劃す。
J19_0219B21: 佛間には阿彌陀佛立像安阿彌快慶作及ひ天皇、后妃、法親
J19_0219B22: 王の尊牌三十四基、德川氏歷代の靈牌十三基を安置
J19_0219B23: す。上段之間は至尊御成の間にして、最も莊麗を極
J19_0219B24: む。又各房の床壁襖及板戸の繪は、總へて狩野主馬
J19_0219B25: 助尚信、外記入道信政、興意法橋定信の筆に成り、
J19_0219B26: 多くは總金箔極彩色なり。
J19_0219B27: 庭園は小堀遠州の築く所。頗る幽趣に富めり。庭前
J19_0219B28: の坐禪石は慈鎭和尚の遺愛にして、元と三門の下に
J19_0219B29: 在りしを、天和年中現地に移せり。
J19_0219B30: 小方丈 大方丈の東北に連接す。中間に東西一間五尺南北六間の渡廊あり
J19_0219B31: 梁行十間、桁行十二間半、南面、檜皮葺なり。寬永
J19_0219B32: 十餘年の建立にして、明治四十三年八月特別保護建
J19_0219B33: 造物に編入せらる。
J19_0219B34: 室内は上段之間、中段之間、大床之間、蘭亭之間、

ウィンドウを閉じる