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J2760 略伝集 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0554A01: の時潯陽の廬山に詣り優曇普度大師より慧遠大師遺
J18_0554A02: 愛の蓮種を傳持ありしを藝州宮島光明院學信上人こ
J18_0554A03: れを護持せられしか上人弟子某へ遺囑すらく予か沒
J18_0554A04: 後護法扶宗の僧あらは是を附屬すへしとありしとて
J18_0554A05: 彼の上人の弟子某これを師に呈せしなり師歸庵の後
J18_0554A06: 其種子を淤泥中に下したまへるに師か護法扶宗の德
J18_0554A07: にや報いけん一千四百餘年を經たる陳種子より萠芽
J18_0554A08: を生しそれより漸漸繁茂して數基の靑蓮開きしかは
J18_0554A09: 師も大に歡喜して淸賞せられき今斜古溪の蓮池に生
J18_0554A10: せる靑蓮これなり 文政八年乙酉師年六十一天魔障
J18_0554A11: 道の故にや十二月晦日大津郡の小吏二名來りて師に
J18_0554A12: 流刑の命を傳ふ師いかなる罪科に處せらるるを知ら
J18_0554A13: されとも從容自若として憂ふる色もなく同日巳の
J18_0554A14: 下刻大日比出船翌文政九年丙戌正月二日酉の下刻羽
J18_0554A15: 島井町德左衞門か宅へ着すこの前後種種の奇瑞を感
J18_0554A16: 見せし人あり師此邊境にさすらひ玉ひしを島人化益
J18_0554A17: のため且は宿業の報へるならんとて却て厭欣の媒と
J18_0554B18: し益稱號を勵修せらる華頂尊超法親王曾て師に御歸
J18_0554B19: 依深かりしか遙に師の障難を聞き之を憤り玉ひやか
J18_0554B20: て國公にその事情を推問ありしか此年七月十二日午
J18_0554B21: の刻赦免の命來り翌十三日酉の刻大日比へ歸庵せら
J18_0554B22: る師後に願書を裁し其寃を訴へ理非を糺さんとせし
J18_0554B23: も罪に及へる者多からんことを慮り止みにき 天保
J18_0554B24: 七年丙申西山派三連寺主彼か一家屋裡の義を募りて
J18_0554B25: 劈邪示正論を送れり師之を辨駁して辨斷劈邪示正論
J18_0554B26: を著す天保八年丁酉の春萩敎安寺大信和尚榮周院
J18_0554B27: 立信和尚梅岸寺在道和尚の請に依り大師の御法語大
J18_0554B28: 胡消息小消息一枚起請文の三章に就て講辨をなし三
J18_0554B29: 法語講説と題し更に三法語大意一卷と合せて七册と
J18_0554B30: し上梓す知恩院御門主一品大王尊超法親王深く師の
J18_0554B31: 道德に歸向せられ後年師の撰述せる三法語講説を披
J18_0554B32: 覽ありて頗る難遇の思をなし常に仰せられけるは予
J18_0554B33: かこのたひ順次往生を遂るは全く西海の法洲和尚の
J18_0554B34: 餘光なりと歡喜の涙と共に講したまひしとなん法親

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