浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0681A01: | 麥畦を治するに思はす捕れぬまた二人は明州の木挽 |
J17_0681A02: | にて此邊へ傭工に來りて思はす捕れ本より一味のも |
J17_0681A03: | のに非さる事分明なれは免脱を得て烏巢寺に至て佛 |
J17_0681A04: | を拜し僧に謝せしとなん是また念佛によりて枷鎻の |
J17_0681A05: | 難をまぬかれたり念佛感應傳(七十一)感應道交今はじめたるに |
J17_0681A06: | あらすしかるに偏に惡趣の因縁にとりなしかりそめ |
J17_0681A07: | にも還入三惡とは法の傍正機の堪不をわきまへざる |
J17_0681A08: | ゆへなり惟無三昧經譬喩經等に粲然として念佛即殺 |
J17_0681A09: | 鬼の難を免れ百歳の壽を盡して終りし事金口に宣べ |
J17_0681A10: | 玉ふ是故に記主禪師も機類萬品なれは平生の時兼て |
J17_0681A11: | 二世を祈り臨終のとき往生の本意を遂る人あらんと |
J17_0681A12: | 釋し我上人も一向專修の御身にましませと要義集に |
J17_0681A13: | 記主禪師の釋を擧又孝養集を引合して宣はく夫不定 |
J17_0681A14: | の世に現世を祈る人は多くして一定の後世を知る人 |
J17_0681A15: | すくなし人ははかなし我はかしこしといみしかほに |
J17_0681A16: | 事をいとなみ恣に萬の罪を造る是愚なりといふにた |
J17_0681A17: | らんや又信心をなすといふは穢土を厭ひ淨土を欣ふ |
J17_0681B18: | へし諸の神佛にも後世を願申せは其哀みの餘りには |
J17_0681B19: | かならす今生まての利益あり又いはく菩提心を發さ |
J17_0681B20: | ん人は要す智者の貴からんをたつね求て其敎にした |
J17_0681B21: | がふへしと宣へりいたづらに月日を過すとも小智邪 |
J17_0681B22: | 見の人に近つくべからず貧き人の心惡きは人の用に |
J17_0681B23: | かなはす富める人の心よきは萬事にかなふかことし |
J17_0681B24: | 小智邪見の人は敎ゆれとも我かしりたる事はかりを |
J17_0681B25: | よしと思てまちまちなる心に隨はす又人の習ひたる |
J17_0681B26: | 事をもあしく謗りて人の心を亂す其宣ふ事はやうあ |
J17_0681B27: | る事ありなといふて事になれて人をかすめておのれ |
J17_0681B28: | は見も明らめす聞人多く不審なす事侍き若くは功德 |
J17_0681B29: | の事をも人の心の及はぬほとにことことくいひなし |
J17_0681B30: | て退屈の心をこさするなり智ある人の貴きに心廣く |
J17_0681B31: | 巨海のことく萬心得玉ひぬれは人の心に隨ひて心えや |
J17_0681B32: | すきやうに法門をも事をもいへは明に覺て佛道を願 |
J17_0681B33: | ふなり譬は容ちうるはしき人は鏡にうつる影もうる |
J17_0681B34: | はしきかことく源と濁れば流も濁るかことし又花開け |