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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0681A01: 麥畦を治するに思はす捕れぬまた二人は明州の木挽
J17_0681A02: にて此邊へ傭工に來りて思はす捕れ本より一味のも
J17_0681A03: のに非さる事分明なれは免脱を得て烏巢寺に至て佛
J17_0681A04: を拜し僧に謝せしとなん是また念佛によりて枷鎻の
J17_0681A05: 難をまぬかれたり念佛感應傳(七十一)感應道交今はじめたるに
J17_0681A06: あらすしかるに偏に惡趣の因縁にとりなしかりそめ
J17_0681A07: にも還入三惡とは法の傍正機の堪不をわきまへざる
J17_0681A08: ゆへなり惟無三昧經譬喩經等に粲然として念佛即殺
J17_0681A09: 鬼の難を免れ百歳の壽を盡して終りし事金口に宣べ
J17_0681A10: 玉ふ是故に記主禪師も機類萬品なれは平生の時兼て
J17_0681A11: 二世を祈り臨終のとき往生の本意を遂る人あらんと
J17_0681A12: 釋し我上人も一向專修の御身にましませと要義集に
J17_0681A13: 記主禪師の釋を擧又孝養集を引合して宣はく夫不定
J17_0681A14: の世に現世を祈る人は多くして一定の後世を知る人
J17_0681A15: すくなし人ははかなし我はかしこしといみしかほに
J17_0681A16: 事をいとなみ恣に萬の罪を造る是愚なりといふにた
J17_0681A17: らんや又信心をなすといふは穢土を厭ひ淨土を欣ふ
J17_0681B18: へし諸の神佛にも後世を願申せは其哀みの餘りには
J17_0681B19: かならす今生まての利益あり又いはく菩提心を發さ
J17_0681B20: ん人は要す智者の貴からんをたつね求て其敎にした
J17_0681B21: がふへしと宣へりいたづらに月日を過すとも小智邪
J17_0681B22: 見の人に近つくべからず貧き人の心惡きは人の用に
J17_0681B23: かなはす富める人の心よきは萬事にかなふかことし
J17_0681B24: 小智邪見の人は敎ゆれとも我かしりたる事はかりを
J17_0681B25: よしと思てまちまちなる心に隨はす又人の習ひたる
J17_0681B26: 事をもあしく謗りて人の心を亂す其宣ふ事はやうあ
J17_0681B27: る事ありなといふて事になれて人をかすめておのれ
J17_0681B28: は見も明らめす聞人多く不審なす事侍き若くは功德
J17_0681B29: の事をも人の心の及はぬほとにことことくいひなし
J17_0681B30: て退屈の心をこさするなり智ある人の貴きに心廣く
J17_0681B31: 巨海のことく萬心得玉ひぬれは人の心に隨ひて心えや
J17_0681B32: すきやうに法門をも事をもいへは明に覺て佛道を願
J17_0681B33: ふなり譬は容ちうるはしき人は鏡にうつる影もうる
J17_0681B34: はしきかことく源と濁れば流も濁るかことし又花開け

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