浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0654A01: | 事なかれ况や武門の戰塲にのぞみ弓箭劍戟をふるふ |
J17_0654A02: | もまたく惡事にあらす源と民の患ひを防ぎ亂をすく |
J17_0654A03: | ひ萬民をして泰山のやすきにをらしめんがためなれ |
J17_0654A04: | は是全く菩薩の行にして佛法王法鳥の兩翼車の兩輪 |
J17_0654A05: | のことく世間出世相はなれさるの法なり何そ是を惡と |
J17_0654A06: | いはんやことさら本願に隨て念佛三昧を行するもの |
J17_0654A07: | をや故に華嚴經に念佛三昧の功德を説て念佛を修す |
J17_0654A08: | るは獅子絃のごとく獅子の筋をかけたる琴を一たび |
J17_0654A09: | 彈ずるに一切の絃悉く斷壞するがごとく念佛を行す |
J17_0654A10: | れば一切の煩惱一切諸障皆斷滅す又牛羊等の乳の中 |
J17_0654A11: | へ獅子の乳一滴入るるに諸乳皆水となるかことく若人 |
J17_0654A12: | 念佛を行すれは一切の惡魔諸障直地に退散する也又 |
J17_0654A13: | 翳身藥を身にぬりて處處に遊行するに是を見ざるが |
J17_0654A14: | 如く念佛を行するものは一切の惡神一切の障り此人 |
J17_0654A15: | をさへぎり障りをなす事なしいかんとなれは念佛三 |
J17_0654A16: | 昧は一切三昧の中の王なるが故なりとくはしく宣説 |
J17_0654A17: | し給へり又大法鼔經には名號を稱念するときは十方 |
J17_0654B18: | の諸佛一切の賢聖常に此人を見給ふ事目前に現ずる |
J17_0654B19: | がごとし此故に大法鼔と名くと説玉へは唯決定して |
J17_0654B20: | 念佛せらるべしと敎示ありけれは疑ひなく本願の深 |
J17_0654B21: | 重なる事を信して無二の念佛者と成にき天文十八年 |
J17_0654B22: | の夏志しを發して一宇を建立し上人を請じて申され |
J17_0654B23: | けるは我如來の大悲本願の深重なる事肝にそみて有 |
J17_0654B24: | かたく抑御敎化を受しより御念佛怠る事なく今度生 |
J17_0654B25: | 死をはなれ極樂往生せん事偏に上人の御洪恩なり其 |
J17_0654B26: | 恩を報せんかために一堂を設て上人にたてまつり侍 |
J17_0654B27: | るなり願は上人開山と成寺號を賜りなば永く子孫の |
J17_0654B28: | 寺となし今世後世御まもりを蒙り念佛退轉なからし |
J17_0654B29: | めんと述べければ其志しを感じてその所願を納受あ |
J17_0654B30: | りすなはち念佛寺と名付玉ひぬ。 |
J17_0654B31: | 田井村專念寺の事 |
J17_0654B32: | 桂の里淀の納所に於て念佛道塲建立なりしかは其事 |
J17_0654B33: | 遠近にかくれなかりけり爰に山城の國久世郡田井村 |
J17_0654B34: | の農民も上人の高德をつたへきき近郷の老弱みな東 |