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J2530 称念上人行状記 妙阿 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0654A01: 事なかれ况や武門の戰塲にのぞみ弓箭劍戟をふるふ
J17_0654A02: もまたく惡事にあらす源と民の患ひを防ぎ亂をすく
J17_0654A03: ひ萬民をして泰山のやすきにをらしめんがためなれ
J17_0654A04: は是全く菩薩の行にして佛法王法鳥の兩翼車の兩輪
J17_0654A05: のことく世間出世相はなれさるの法なり何そ是を惡と
J17_0654A06: いはんやことさら本願に隨て念佛三昧を行するもの
J17_0654A07: をや故に華嚴經に念佛三昧の功德を説て念佛を修す
J17_0654A08: るは獅子絃のごとく獅子の筋をかけたる琴を一たび
J17_0654A09: 彈ずるに一切の絃悉く斷壞するがごとく念佛を行す
J17_0654A10: れば一切の煩惱一切諸障皆斷滅す又牛羊等の乳の中
J17_0654A11: へ獅子の乳一滴入るるに諸乳皆水となるかことく若人
J17_0654A12: 念佛を行すれは一切の惡魔諸障直地に退散する也又
J17_0654A13: 翳身藥を身にぬりて處處に遊行するに是を見ざるが
J17_0654A14: 如く念佛を行するものは一切の惡神一切の障り此人
J17_0654A15: をさへぎり障りをなす事なしいかんとなれは念佛三
J17_0654A16: 昧は一切三昧の中の王なるが故なりとくはしく宣説
J17_0654A17: し給へり又大法鼔經には名號を稱念するときは十方
J17_0654B18: の諸佛一切の賢聖常に此人を見給ふ事目前に現ずる
J17_0654B19: がごとし此故に大法鼔と名くと説玉へは唯決定して
J17_0654B20: 念佛せらるべしと敎示ありけれは疑ひなく本願の深
J17_0654B21: 重なる事を信して無二の念佛者と成にき天文十八年
J17_0654B22: の夏志しを發して一宇を建立し上人を請じて申され
J17_0654B23: けるは我如來の大悲本願の深重なる事肝にそみて有
J17_0654B24: かたく抑御敎化を受しより御念佛怠る事なく今度生
J17_0654B25: 死をはなれ極樂往生せん事偏に上人の御洪恩なり其
J17_0654B26: 恩を報せんかために一堂を設て上人にたてまつり侍
J17_0654B27: るなり願は上人開山と成寺號を賜りなば永く子孫の
J17_0654B28: 寺となし今世後世御まもりを蒙り念佛退轉なからし
J17_0654B29: めんと述べければ其志しを感じてその所願を納受あ
J17_0654B30: りすなはち念佛寺と名付玉ひぬ。
J17_0654B31: 田井村專念寺の事
J17_0654B32: 桂の里淀の納所に於て念佛道塲建立なりしかは其事
J17_0654B33: 遠近にかくれなかりけり爰に山城の國久世郡田井村
J17_0654B34: の農民も上人の高德をつたへきき近郷の老弱みな東

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