浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J17_0646A01: | 思議ありと御衣の袖をうるほし玉ひ後日にまたも相 |
J17_0646A02: | 見んと還御し玉ひぬ。 |
J17_0646A03: | ○ロヨリ出ル光明ト者ムカシ元祖大師三昩發得ノ後ハ暗夜ニ燈燭ナシトイヘトモ眼ヨリ光ヲ放テ聖敎ヲヒラキ室ノ内外ヲ見玉フ法蓮房親リ是ヲ拜シ隆寬律師モコトニ此事ヲ信仰セラレキアル時秉燭ノホドニ大師ノドカニ聖敎ヲ披覽シ玉フヲトノシケレバ正信房イマダ燈明チタテマツルトモ覺ヘサリツルニト覺束ナクテヒソカニ座下ヲ伺ニ左右ノ御目ノスミヨリ光ヲ放テ文ノ面ヲ照シテ見給フ其光ノ明カナルコト燈ビニ過タリイミジクタウトキコトカギリナシ又アル時更タケ夜靜ニ深窓ニ人ナシ大師ヒトリ念佛シ玉フ御聲勇猛ナリケレバヨクヨク老骨ヲハゲマシオコタリナキ御ツトメイタハシクモ貴モ覺テモシ御用モヤイマスラントテ正信房マイリテヤリ戸ヲヒキアケテ見奉レバ身光赫奕トシテ坐シ玉ヘル疊ニ帖ガ上ニミテリ明ナルコト暮山ニ望テ夕陽ヲ見ルガ如シ身ノ毛モヨダツ計ナリタウトシトイフモヲロカナリ慈恩ムカシ玄弉ノ門下ニアリテ眼ヨリ光ヲ放テ夜ル聖敎ヲ開キシカハ泗州大師上座ナリシカトモナヲ其德ニ信伏シテアフキテ師範トシ玉ヒキ今邊州ニシテ末代タリトイヘトモ奇特マコトニ上古ニ耻ザルヲヤト勅傳ニ見エタリ今上人ノ行狀是ニ齊シ夫レ大師ハ智慧深遠ノホマレアルニヤ宗鏡錄二十四ニ云夫放光者即是一心智慧之光トイヘリ今上人口稱一行ノ洪德ニヨリテ現身得定ノ利益イチシルシ善導大師ハ稱名ノ聲ニ應シテ口中ヨリ化佛出現シ玉ヘリ稱名ノ功德法澤私ナキ事古今同ジ誰カコレヲアヤシマン○面門者谷響集一(五丁)口ヲ面門ト云ナリ。 |
J17_0646B04: | 尊鎭法親王御示寂の事 |
J17_0646B05: | 尊鎭親王その後御したしみふかくましまして屢御殿 |
J17_0646B06: | に召れ淨宗安心起行の趣御たつね有しかは元祖鎭西 |
J17_0646B07: | 等三代師資相承異途なく相傳せし心行業の間念佛の |
J17_0646B08: | 要義なとくはしく御物語りありしとなん聞え侍る抑 |
J17_0646B09: | 尊鎭法親王は 人皇一百五代後柏原院第三の皇子御 |
J17_0646B10: | 名は淸彥御母は豐樂門院贈左大臣敎秀公の御女なり |
J17_0646B11: | 天性柔順溫良にましまし公助僧正に隨て受法灌頂し |
J17_0646B12: | 給ひ天王寺の別當山門の座主として一心三觀の玉を |
J17_0646B13: | 磨き一念三千の月明かに即心念佛を修し玉ひしが上 |
J17_0646B14: | 人御對話の後は專ら事相の稱名怠りなく行し給ひき |
J17_0646B15: | 然るに天文十九年の秋御惱ありて大漸に至らせ玉ひ |
J17_0646B16: | しかば上人を御臨終の智識となし九月十三日法算四 |
J17_0646B17: | 十七にして禪定に入がごとく遷寂したまひにけり。 |
J17_0646B18: | ○尊鎭親王者傳敎大師ヨリ法系三十六代靑蓮院初祖行玄僧正ヨリ二十七世桂蓮院前天台座主二品尊鎭法親王ト申奉ル御遷寂ノ砌ニハ紫雲山ヲ覆ヒ異香谷ニミチ瑞相一方ナラズトゾ御筆ノ跡モ多ク尋常ニ有ガタキ御事ドモスクナカラズ世ニイチジルシケレバココ |