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J2480 新撰往生伝 了吟 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0511A01: 間をみるに解をまなぶものは解について勝他のここ
J17_0511A02: ろをおこし。行をはげむものは。行について慢心を
J17_0511A03: 生ず。かれもまよひ。これもをろかなり。たとひ智
J17_0511A04: 惠をそなへたりとも。往生におもむかん人は。なら
J17_0511A05: ひし智惠をば。こころにわすれはてて。無智のもの
J17_0511A06: のふたごごろなく。打たのみて。念佛するこころと
J17_0511A07: なるべし。又本より智惠なからんものは。愚癡は愚
J17_0511A08: 癡のまま惡人は惡人のまま。女人は女人のままに
J17_0511A09: て助給へ南無阿彌陀佛と申て。うたがふこころなき
J17_0511A10: 人ぞ。往生決定し侍るべきなり。これは智惠ある人
J17_0511A11: の。なきおもひをするよりは。中中愚癡の者のまご
J17_0511A12: ころに信ぜんこそ。三心具足の行者にて。本願にも
J17_0511A13: 相應すべけれと。仰られ候ひし。これ虚言に候はは。
J17_0511A14: 六方の諸佛も證誠あるへからず候。
J17_0511A15: 應永十年五月二十六日 良 順判
J17_0511A16: △了專上人一枚起請文
J17_0511A17: 先師良順良譽兩師に給仕し承候中にも淨土宗往生の
J17_0511B18: 故實といふは。先わが身を取くだして。自身は罪惡
J17_0511B19: の身なり。無始よりこのかた。三界六道の間。いづ
J17_0511B20: れの生をか受殘したる。いたづらに死して。更に其
J17_0511B21: 益なし。さればわれと生死を出る事あるまじ。只佛
J17_0511B22: の願力に乘じて。罪惡の身ながら淨土に往生をすへ
J17_0511B23: きなり。今まで生死にめぐりたるは。此法にあはざ
J17_0511B24: るゆへなり。逢がたくしてあへるは。往生の期のい
J17_0511B25: たりたるよと嬉しくも。いそがはしくも。おぼえて。
J17_0511B26: いよいよ願心もすすみ。念佛の心もいさましくなら
J17_0511B27: んは。我往生の信心決定しぬるよと。思ふべきな
J17_0511B28: り。かくのごとくならんは。終焉の夕には來迎引接
J17_0511B29: に預り。無上の寶國に速に通入すべしと仰られ候ひ
J17_0511B30: しなり。此聞實にして。三寶を證とし申候なり。
J17_0511B31: 永享五年十一月三日 順 譽判
J17_0511B32: △良吽上人一枚起請文
J17_0511B33: 先師順譽酉性兩師のをもむきは淨土の往生は信心を
J17_0511B34: 先とす。さればかしこがほなれどもうたがふは詮な

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