ウィンドウを閉じる

J2410 九巻伝 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J17_0209A01: 藤中納言光雅卿の奉にて。院宣を下されけるに付
J17_0209A02: て。上人歸洛ありければ。一山德をしたひ滿寺はら
J17_0209A03: わたをたちて。萬仭の霞よりいでで。九重の雲にぞ
J17_0209A04: 送りける。
J17_0209A05: 上人被著大谷禪房事
J17_0209A06: 同月廿日。上人既に入洛ありければ。慈鎭和尚の御
J17_0209A07: 沙汰として。大谷の禪房に居住せしめ給ふ。昔釋尊
J17_0209A08: 上天の雲よりくだり給ひしかば。人天大會まづ拜見
J17_0209A09: し奉らん事をあらそひ。今上人南海をさかのぼりた
J17_0209A10: まへば。道俗男女さきに供養をのべん事をいとなむ。
J17_0209A11: 羣參の輩一夜の中に一千餘人と聞えき。幽閑の地を
J17_0209A12: 卜給といへども。人の集る事盛なる市のごとし。
J17_0209A13: 雲客夢の事
J17_0209A14: 上人入洛の後。或雲客のゆめに。上人内裏へ參ぜら
J17_0209A15: れけるに。天童四人雲にのぼりて管絃を奏し。天蓋
J17_0209A16: をさし覆ひ奉ると見て夢覺てきくに。上人參内し給
J17_0209A17: へりと云。不思議なりし事也。
J17_0209B18: 法然上人傳記卷第七下
J17_0209B19:
J17_0209B20: 老病事 高聲念佛被勸事
J17_0209B21: 圓形紫雲垂布事 韋提希夫人問答事
J17_0209B22: 御往生事 諸人夢相葬送事
J17_0209B23: 建曆二年壬申正月二日より。上人老病のうへに日來の
J17_0209B24: 不食殊增氣あり。凡此兩三年は耳不聞。目不見。
J17_0209B25: ましましつるが。更に昔のごとく明かに成て。念佛
J17_0209B26: 常よりも增盛也。睡眠の時も念佛の唇舌鎭へに動
J17_0209B27: く。見る人奇特の思ひをなす。同三日戌の時病床の
J17_0209B28: 傍なる人びと。御往生の實不を問奉りければ。我も
J17_0209B29: と天竺國に在し時は。聲聞僧に交て頭陀を行じき。
J17_0209B30: いま日本にしては。天台宗に入て一代の敎法を學
J17_0209B31: し。又念佛門に入て衆生を利す。我もと居せし所な
J17_0209B32: れば。さだめて極樂へ歸り行べしと仰られければ。
J17_0209B33: 勢觀上人申さく。先年も此仰侍りき。抑聲聞僧とは
J17_0209B34: 佛弟子の中には何哉と申し時。舍利弗也とこたえ給

ウィンドウを閉じる