浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J17_0001A01: | 黑谷源空上人傳 |
J17_0001A02: | |
J17_0001A03: | 安居院沙門釋 聖覺記 |
J17_0001A04: | |
J17_0001A05: | 夫以。衆生の沈淪。無量無邊なれば。諸佛の濟度も |
J17_0001A06: | 無數無窮なり。然といへども迷倒の我等。罪業甚重 |
J17_0001A07: | にして。過去若干の如來の敎化にも。既にもて漏來 |
J17_0001A08: | り。現在十方の諸佛の利益にも。尚また障られたり。 |
J17_0001A09: | 今末法濁世に人身を受たりといへども。釋尊の遺法 |
J17_0001A10: | にあひ。幸に聖敎を聞。聖敎しなことに。行門まち |
J17_0001A11: | まちに別たり。若その要を言ば唯二種あり。一には |
J17_0001A12: | 聖道門。唯自力をはげまし。穢土にありて。佛道を |
J17_0001A13: | 成就す。此土は惡縁これ多が故に。十進て九は退す。 |
J17_0001A14: | 是故に此門を難行道と名。二には淨土門。仰て佛願 |
J17_0001A15: | を信じ。佛の名號を唱て。淨土に往生し。速に菩提 |
J17_0001A16: | を證。彼國は善縁これ多が故に。進のみありて退な |
J17_0001A17: | し。是故に此門を易行道と名。然則聖道の一種は正 |
J17_0001A18: | 像の兩時。尚もて難行なり。何況末法をや。是故に |
J17_0001B19: | 愚癡迷亂の凡夫。依行することあたはず。淨土の一 |
J17_0001B20: | 法は。末法濁世。亦これ易行なり。何況上代をや。 |
J17_0001B21: | 是故に五逆謗法の惡人。同往生を得。倩此理を案ず |
J17_0001B22: | れば。宿習誠に憑し。何なる善因に催されてか。我 |
J17_0001B23: | 等此法に遇る。往生尤輒。佛果彌近し。歡喜身に餘 |
J17_0001B24: | り。感涙忍難し。抑此事は誰人の恩德ぞや。偏にこ |
J17_0001B25: | れ先師空上人の慈訓の化益なり。報じても猶餘あり。 |
J17_0001B26: | 謝しても亦飽ざる者なり。仍て報恩謝德の爲に。勸 |
J17_0001B27: | 化の始末を記す。唯慈恩を仰で淺言を恥ず。後見誹 |
J17_0001B28: | 謗することなかれ。于時安貞元年丁亥極月上旬の候 |
J17_0001B29: | 云爾。 |
J17_0001B30: | 謹述上人行狀略有十六大門。 |
J17_0001B31: | 一 託胎前後因縁門 二 出胎已後利益門 |
J17_0001B32: | 三 最初入學佛法門 四 離親登山學行門 |
J17_0001B33: | 五 受戒樂求閑居門 六 發心離山住谷門 |
J17_0001B34: | 七 披攬一代聖敎門 八 信修念佛往生門 |
J17_0001B35: | 九 善導來現授敎門 十 勸進念佛往生門 |